小説から学んだこと 『海辺のカフカ』
「世の中のほとんどの人は自由なんて求めてはいないんだ。求めていると思い込んでるだけだ。すべては幻想だ。もしほんとうに自由を与えられたりしたら、たいていの人間は困り果ててしまうよ。覚えておくといい。人々はじっさいには不自由が好きなんだ。」
私がこの作品を読んだのは比較的最近なのだが、実際読んだいた時は何も感じず読みとばしてしまっていた。
だが、大学生2回目の夏を迎えようとしている今、このフレーズは凄く人間の真理をついているなと思う。
大学1年生の時、自分は一切のストレスを排除しようと行動していた。
居酒屋のバイトを始めるが1か月も経たないうちに辞めてしまい、課題が大変な授業には行かなかった。
そんな風に生きていた時の夏休み。
コンビニのバイトは週2回程度、遊びも週1回程度。
それ以外は全部予定なしの休み。
休みの無いサラリーマンなど多忙な日々を送っている人は羨ましいと思うかもしれないが、僕が思っていたことは真逆だった。
「あー、大学なんかやめてガッツリ働きて―」
私は自由など求めていなかった。
私は今、大学生にしては責任の重い方の集団塾のバイトをして、割と多忙な生活を送っている。
「楽しい!」
とは言えない状況にある。
予習が大変だし、生徒になめられたりしていてそのことでほとんど頭がいっぱいになってしまう。
辞めたいと思うことも多い。
そんな時はこの言葉を思い出してもう一回考え直そうと思う。
人は じっさいには自由が好きなんだ。