村上龍 『69』 唯一の復しゅうの方法は、彼らよりも楽しく生きること

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これは楽しい小説である。

こんなに楽しい小説を書くことはこの先もうないだろうと思いながら書いた。

この小説に登場するのはほとんど実在の人物ばかりだが、当時楽しんで生きていた人のことは良く、楽しんで生きていなかった人のことは徹底的に悪く書いた。

楽しんで生きないのは、罪なことだ。わたしは、高校時代にわたしを傷つけた教師のことを今でも忘れていない。

数少ない例外の教師を除いて、彼らは本当に大切なものをわたしから奪おうとした。

彼らは人間を家畜へと変える仕事を飽きず続ける「退屈」の象徴だった。

そんな状況は今でも変わっていないし、もっとひどくなっているはずだ。

だが、いつの時代にあっても、教師や刑事という権力の手先は手強いものだ。

彼らをただ殴っても結局こちらが損をすることになる。

唯一の復しゅうの方法は、彼らよりも楽しく生きることだと思う。

楽しく生きるためにはエネルギーがいる。

戦いである。

わたしはその戦いを今も続けている。

退屈な連中に自分の笑い声を聞かせてやるための戦いは死ぬまで終わることがないだろう。

 

いやー 何度読んでも響くものがあるねー。

最初に読んだ時なんかはホント鳥肌たった。

 

嫌がらせを受けた

陰口を言われた

集団でいじめられた

 

この手の悩みは一生尽きないと思う。

どの学校でも会社でもこういう問題は起きる。

 

今教えている生徒でも、いじめとまではいかないが人間関係で悩んでいる子が多い。

塾は勉強しに来る場所なのにホントにもったいない。

僕の知り合いにも、受験期に突然ハブられたて独りになったという友達がいる。

その子の場合は気が強く、それをプラスに変えられて周りよりいい大学に進学できたし、自分に対しての肯定感も強い。

僕の場合、中学高校の時は、人間関係の悩みが絶えなくて自分に対する自信がなく、自己否定的になってしまっていた。

人間関係に悩んでいる生徒で一番心配しているのはその事態だ。

当時に自分を肯定してくれる大人がいて欲しかった。

だから、ずっと味方でいてあげられる大人でありたい。

 

生徒にもこの小説を是非読んでほしい。

唯一の復しゅうの方法は、彼らよりも楽しく生きることだ

この小説を読んでから1年以上経っている今でもこの言葉に励まされている。

でも同時に、僕らは「退屈な連中」に成り下がってしまう可能性と隣り合わせにいる。

 

女の子に人気のある奴がいたら睨んでみたり

 

リア充ツイートする奴を批判してみたり

 

これらの行為も十分他人の人生を邪魔してると言えると思う。

劣等感からくる嫌悪感を人にぶつけては絶対ダメだ。

 

他人に幸せを与えられる人になろう!!